にんげん出版の本


BOOK

モナド新書シリーズモナド新書011
被差別部落の真実 創作された「部落の仕事と文化」イメージ

被差別部落の真実/小早川明良
  • 被差別部落の真実
    創作された「部落の仕事と文化」イメージ


  • 小早川明良(こばやかわ・あきら)著

    • 新書判/288頁
    • ISBN978-4-931344-46-4
    • 定価:本体 920円+税
にんげん出版書籍の注文カート ネット書店で注文する

6千部落2百万人が苦しむ部落差別は、「江戸時代の身分差別が近代に残った」ものでも、「近代化がすすめばなくなる」ものでもない。

有名人の出自を暴き立てるセンセーショナルな出版物。
増大する身元調査ビジネス。
闇に蠢く「部落調査」ネットワーク――

いまや部落差別は、立派な〈商品〉となって、売り買いされている。

被差別部落とは、なにか?
被差別部落民とは、だれか?

〈部落のしごと=皮と肉=ケガレ〉という俗説など、これまでの部落問題の〈常識〉を転換し、「部落差別の現在」を新視点から解き明かす!

編集部からの問いに著者が答える部落問題入門書。
これまでの部落問題をめぐるとらえ方が、180度変わります。部落問題とはなにか?部落差別はなくなりつつある?現在の被差別部落民は江戸時代の被差別身分の人びとが系譜?ケガレ意識と部落差別は関係がある、ない?部落と一般の人びとの「ちがい」?被差別部落「固有の職業」があるというのはステレオタイプ?「〈ケガレ差別〉ゆえに屠畜・皮革を伝統的に担った人びとが部落民の起源」というのは俗説?なぜ今日、部落差別はあるのか?新視点から、徹底的に解き明かします。

部落差別は、「江戸時代の身分制が残った」ものでも、「近代化がすすめばなくなる」ものでもない。いまや部落差別は、立派な“商品”となった!ふくれ上がる身元調査ビジネス。有名人の出自を暴き立てるセンセーショナルな出版物―名著『被差別部落像の構築 作為の陥穽』の著者が「部落差別の現在」を新視点から照射する!

< 目次 >

1章 近代化がすすめば部落差別はなくなる?
2章 まちがいだらけの部落起源論
3章 部落差別とケガレは関係ない?
4章 つくられた「部落の仕事と文化」イメージ
5章 近代は被差別部落民を差別の中で「生きさせた」― 被差別部落の国民化
6章 〈商品〉化される部落差別―身元調査がなくならないわけ
7章 アイデンティティの罠?―「自覚」の呪縛をとく

著者紹介


小早川明良(こばやかわ・あきら)

広島県在住。社会学者。特定非営利活動法人 社会理論・動態研究所 理事・研究員。著書に『被差別部落像の構築 作為の陥穽』(にんげん出版/2017) 編著に『広島県共鳴会機関紙「共鳴」復刻版』(広島県共鳴会機関紙共鳴復刻委員会/1997)、『広島県地域の部落史・部落解放運動史年表草稿』(福山部落解放研究会/1980) 論文に『敗戦直後の部落問題研究批判―丸山眞男を時代診断の手がかりとして―』(2017)、『被差別部落と教育に関する「定説」の批判的検討―いわゆる部落学校と権力のテクノロジー』(2010)、『融和運動における「国民意識」と「自覚」―初期山本政夫の思想を巡って』(2009)、『山本政夫研究:その問題意識』(2005)、『広島県水平社と反軍闘争』(2003)、『Quiet Buraku Discrimination: The Reproduction of Discrimination under Governance of Neo-liberalism』(2016)、『A Critical Study against Discourse of “Buraku Industry"』(2016)、『The Creation of Another form the Others. An Analysis of a Small Buraku in a Precarious Community』(2017) ほか多数。

関連トピック


被差別部落像の構築 作為の陥穽/小早川明良 被差別部落の真実 創作された「部落の仕事と文化」イメージ/小早川明良 被差別部落の真実2 だれが部落民となったのか/小早川明良